2009年10月1日木曜日

[本] 罪と音楽 - 小室哲哉


"罪と音楽" (小室 哲哉)

15年以上前、trfがEZ DO DANCEを出して、TM NetworkがNights of The Knifeを出したころから、小室哲哉の作る音楽が好きだ。これは、90年代のいわゆる小室ブームのころは当然、だいぶブームが下火になった2001年ごろまで、かなり小室哲哉の作る音楽を聴いていた。ここ数年は、m-floやRYUKYUDISKOに傾倒してたこともあって、ご無沙汰気味だったけど、たまに聴くとやっぱり好きな音だと思う。

そんな小室哲哉が去年逮捕されて、僕はショックを受けたというより、悲しかった。大好きなアーティストが、逮捕されるなんて・・・。

この本は、そんな逮捕から裁判までの記録と、小室哲哉の音楽論が書かれたもの。裁判で有罪になってしまった人だけど、音楽は好きだし、必ず再起して、またいい音楽を聴かせてくれると信じてることもあって、この本を買った。買う前は、逮捕や裁判の話が読めればいいと思ってたけど、むしろ書かれている音楽論が興味深かった。

例えば、

歌をドラムやギターと同じ、楽器のひとつとして捉えた音作り

というフレーズがあった。僕は、音楽を聴く時に、あまり歌詞が頭に入ってこないで、音楽全体として聴く傾向がある。だから、小室哲哉の「歌を楽器として捉えた音」が好きなのかな?と思った。

他にも、globeのMany Classic Momentsや、TMNのBE TOGETHER、安室奈美恵のa walk in the parkといった曲を作る時に、どういう思いで、どういう過程で作られたか。それぞれの曲に対して、どんな実験をしてきたのか、を解説している。きっとどんなミュージシャンでも、色々実験をしていると思うんだけど、それに関する解説をミュージシャン自身から語られるのは珍しいと思う。ましてや、自分が好きで聴いてきた曲のことだから、なおさら興味深い。

また、日本語と英語の歌詞における、伝達速度の違いや、コブクロ・Mr.Childrenに関する考察など、多方面から音楽を分析していて、この人は本当に音楽が好きなんだと思った。

この本に関してだけではないけど、世の中のあらゆるものに対して、うがった見方っていくらでもできる。自分もそんな見方をすることが多いと思うんだけど、自分の好きなものに対しては、すごく素直に受け取ることができると、この本を読みながら思った。だから、自分の好きなものはもっと好きになるんだとも思った。

こんな色々なことを気づかせてくれたり、興味深いと思えたのは、やっぱりそれでも小室哲哉の音楽が好きだからだ。だからこそ、50曲同時発売という壮大な復帰が楽しみだし、これからもいい音楽を聴かせてほしいと思った。

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